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周囲の様々な環境に好奇心や探究心を持って関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う。 (ア)ねらい ①身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心を持つ。 ②身近な環境に自分から関わり、発見を楽しんだり、考えたりし、それを生活に取り入れようとする。 ③身近な事物を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする。 「環境」の領域では、第1章(総則)3.保育の原理(1)保育の目標の「(エ)生命、自然及び社会の事象についての興味や関心を育て、それらに対する豊かな心情や思考力の芽生えを培うこと」をより具体化した「ねらい」として、①から③までが示されています。 子どもと環境の関わりにおいては、身体感覚を伴う直接的な体験を通して身近な環境に親しみ、子どもの「心情」が豊かに湧いてくることが大切です。特に自然と触れ合う中で、その不思議さ、おもしろさ、心地よさなどを十分に味わい、周囲の子どもや保育士等と共感しながら興味や関心を広げ、自ら環境に関わる「意欲」を高めていきます。環境との関わりによる様々な発見や気付きは子どもの考える力を培ってい きます。また、環境に関わる「態度」を徐々に養っていきます。 さらに、子どもは、様々な物を見たり、扱ったり、それらについて考えたりする中で、物の性質や数量、文字などを認識するようになっていきます。生活や遊びを通してそれらに親しみ、感覚を豊かにすることが求められます。 こうした「ねらい」を達成するために、保育士等が援助して子どもが環境に関わって経験する事項を次の「内容」で示しています。 (イ)内容 ①安心できる人的及び物的環境の下で、聞く、見る、触れる、嗅ぐ、味わうなどの感覚の働きを豊かにする。 環境との相互作用により成長・発達していく子どもにとって、最も身近な人的環境である保育士等の存在は重要であり、保育士等により情緒の安定が図られ、基本的な信頼感を得ていきます。そして、それを拠りどころにして、周囲の環境に興味や関心を向け、盛んに探索活動をするようになります。特に、歩行によって自由に歩けるようになることは子どもの探索意欲を大いに高めます。 また子どもは、聴覚、視覚、触覚、嗅覚、味覚を働かせ、その敏感な諸感覚により様々な人や物を認識していきます。乳幼児期には、音、匂い、感触、味などへの感覚を豊かにしていくことが必要です。身体感覚を伴う経験を積み重ね、自ら環境に関わる中で、豊かな感覚や感情が培われていくことに留意し、物的環境を整えるとともに、保育士等自ら感受性を豊かにしていくことが求められます。 ②好きな玩具や遊具に興味を持って関わり、様々な遊びを楽しむ。 子どもは、身の回りに用意された玩具や遊具や生活用具に興味や好奇心を持ちます。また、それらに自分から関わり、満足するまで触って遊ぶことで、外界に対する好奇心や関心を持つようになります。子どもは、そうした活動の中から自分から物や人に関わっていこうとする自発性を育んでいきます。 保育士等は、子どもが自ら興味を持ち、関わってみたいと思うような玩具や遊具を、子どもの周りに準備しておくことが必要です。そして子どもと共にそれらに関わり、遊びを発展させることが求められます。玩具や遊具の安全性はもちろん、その質、色、デザインなど、乳幼児期の子どもが出会い、関わる物が子どもの感覚や感性を育んでいくことを自覚し、その種類、質、量などにも十分に配慮していくことが必要です。 ③自然に触れて生活し、その大きさ、美しさ、不思議さなどに気付く。 近年、子どもは自然と触れ合う体験をする機会が乏しくなっています。子どもが全身を介して直接自然と触れ合う体験は、子どもの心を癒すだけでなく、自然に対する驚きの気持ちや、その美しさに感動する気持ちを子どもに抱かせ、その不思議さに魅せられる中で様々な気付きを得ていきます。動植物や土、砂、水や光、それらを含めた野外の自然に触れて過ごしたり、遊びに取り入れたりする中で、好奇心や探究心、思考力が生まれてきます。こうした体験は、子どもが科学的な見方や考え方の芽生えを培う基礎となるものであり、身近な自然に心を動かしながら保育士等や友達と共感したり、表現活動に結び付けていくことも大切です。 保育士等は、園庭の自然環境を整備したり、散歩に出かけて自然と触れ合う機会を作ったりして、身近な動植物や自然事象に子どもが接する機会を多く持つようにしていくことが大切です。また、保育士等自身が感性を豊かに持ち、自然の素晴らしさに感動することや、子どもの気付きに共鳴していくことが求められます。保育室の環境構成に四季折々の自然物を取り入れるなどの工夫も必要でしょう。 ④生活の中で、様々な物に触れ、その性質や仕組みに興味や関心を持つ。 子どもは、生活の中で遊具や用具、素材等の様々な物に触れ、それらを手にして遊んだり、その感触を味わったりします。乳児など年齢の低い子どもは玩具を舐めたり、繰り返し触ったり、試したりします。そうする中で、徐々に、それらの形や性質、仕組みなどに興味や関心を持つようになっていきます。 また、子どもは、身近にある物の働きや仕組みについて、自分なりに考えたり、試行錯誤しながら触ったり試したり工夫を凝らしてみたりします。そして、それらに対し親しみを持ち、遊びに取り入れようとします。物を介して、また物に触発されて遊びが発展すると、友達も一緒にその遊びに加わり、ますます遊びが楽しくなるという循環が生じます。また、友達と一緒に様々な物に見立てたり、作り出したりすることで、ごっこ遊びを楽しんだり仲間関係を深めたりします。 保育士等は、こうした遊びが豊かに展開されるよう様々な遊具や用具、素材などを用意し、物的環境を整えることが大切です。また、保健や安全面への配慮も欠かせません。 ⑤季節により自然や人間の生活に変化のあることに気付く。 子どもは、散歩の機会や園庭で遊んでいる時などに、温度の変化、木々の葉の色のうつろいや、日差しの強さ、風の冷たさなどを通して季節によって自然が変化することに気付きます。また、自然の変化に伴って、食べ物や衣服、生活の仕方など、人間の生活も様々に変化することに関心を持つようになります。 こうした季節の変化に目を向けたり、気付いたりしていくことができるよう、自然に触れる機会を計画的に設けたり、季節感のある遊びを取り入れたりしながら環境構成に生かしていきます。また、季節の草花や野菜などを栽培したり、季節に応じた伝統行事に触れたりする機会を持つことも大切です。 子どもが自分の感覚を用いて季節の変化を感じ取ることができるようにするとともに、保育士等が季節感を取り入れた生活を楽しめるような取組も求められます。 ⑥自然などの身近な事象に関心を持ち、遊びや生活に取り入れようとする。 子どもは、身近な環境に興味を持ち、自分から関わり、自分の生活を広げていきます。子どもが最初に触れる身近なものには、土や水、木の枝や葉っぱ、小石や昆虫などの自然があります。子どもはそうした自然に心を動かし、親しみながら遊びの中に取り入れ、自然との関わりを深めていきます。 また、子どもは身近にある事物や事象に興味や関心を抱くとともに、自分たちの生活との関連にも気付いていきます。特に近年では地球環境やゴミなどの環境問題について、様々な情報を通して関心を持つ機会が増えています。 保育士等は、子どもが身近な自然などの様々な事物や事象に触れる機会を多く持つことができるようにするとともに、それらへの興味や関心を深め、探索したり、自分の生活との関連を考えたりするきっかけをつくることも必要です。また、遊びに取り入れたりすることができるよう環境を整えていく ことが大切です。 ⑦身近な動植物に親しみを持ち、いたわったり、大切にしたり、作物を育てたり、味わうなどして、生命の尊さに気付く。 子どもは、親しみの持てる小動物や植物を見たり、触ったり、世話をしたりすることを通して、身近な動植物に親しみを持つとともに、いたわりの気持ちを持ち、やがては生命の尊さに気付いていきます。 親しみやすい小動物を飼育したり植物を栽培したりすることを通して、子どもは保育士等と共にえさや水を与えて世話をしながら、興味や関心を深め、自ら関わっていくようになります。また、世話をすることで、その成長や変化などに気付き、感動したり大切にする気持ちを持つようになります。動植物がどのようにして生きているのかを考えたり、命の持つ不思議さに気付いたり、生きているものへの温かな感情が芽生えるよう、保育士等はそのきっかけを与えたり、動植物への関わり方を伝えていきます。子どもの興味や関心に応じて、図鑑や関連する絵本などを用意することも必要でしょう。 ⑧身近な物を大切にする。 子どもが、身近な物との関わりや愛着を深め、自分から大切にしようとする気持ちが持てるようになることが大切です。 子どもは、様々な物が身近にあることに気付き、興味を持って関わり、十分にその物で遊んだり、扱ったりしながら、物への愛着や親しみを育てていきます。それぞれの物の役割や特徴を認識していきながら、物を介して友達と楽しく遊んだり、活動したりする経験を重ねていくことが大切です。 また、保育士等が不要になったものを工夫して作ったり、身近な物を大切に扱っている様子を見ることで、子どもは物を大切にしようとする気持ちが芽生えたり、大切に扱うことの必要性に気付くようになります。保育士等は、その物に応じた関わり方や扱い方、片付け方などを繰り返し丁寧に伝えてい く必要があります。 ⑨身近な物や遊具に興味を持って関わり、考えたり、試したりして工夫して遊ぶ。 子どもは、身の回りの物を触ったり、たたいたり、感触を味わったりしますが、やがてその物を何かに見立ててごっこ遊びを展開したり、遊びの道具として使ったりします。子どもは遊びの中で、その物の使い方について独自の着想を得てそれを試してみたり、工夫を凝らしてみたりするなど、じっくりと遊びに取り組み、考える力を育んでいきます。 子どもと物との出会いや関わりを見守り、子どもが身近な物や遊具を使って、じっくりと遊び込む時間を十分に持つことが大切です。また、子どもが、身近な物や遊具に興味を持ち、自由に触ったり、試したり、工夫したりしていることに保育士等が気付き、その様子を他の子どもに伝えたり、保育士等の工夫を示したりすることも重要です。子どもが心と体を働かせて物と関われるよう環境を構成し、いろいろな物に興味を持って自ら関わる機会をつくるようにしていきます。 ⑩日常生活の中で数量や図形などに関心を持つ。 子どもは、ままごとや積み木などの遊具で遊ぶ中で、また、食事など生活の様々な場面で、物の形や大きさ、その量などに気付いていきます。同じ形や違う形の積み木で遊んだり、ままごとの器を並べたり、木の実や収穫した野菜を分けてみたり、食事やおやつの際に量を確かめたりすることを通して、数量や数などへの関心を徐々に高めていきます。また、保育士等や友達とのやり取りを通して、長さや大きさを比べたり、自然物の多様な形に触れたりしながら、具体的な体験を通して、数量などへの感覚を深めていきます。こうした体験を重ねることにより、子どもは数、量、形などといった抽象的な概念に触れていくのです。 概念を把握する基礎は幼児期に形成されます。保育士等は、図形や数量だけでなく、前後、左右、遠近などの位置の違いや時刻等について、毎日の生活の中で次第に関心を持つことができるよう、環境構成に配慮していくことが求められます。 ⑪日常生活の中で簡単な標識や文字などに関心を持つ。 子どもは、生活や遊びの中で身近な標識や文字に関心を持つようになります。保育所でも子どもの関心に沿って興味が持てるように環境を構成していくことが大切です。子どもは象徴機能の発達や言葉の獲得などを通して、物と名前の結びつきや、表示などが示す物や事柄を理解していきます。 また、保育所では一人一人の子どものマークを決めることがあります。子どもは、自分のマークを覚え、愛着を持つとともに、友達とそのマークを照らし合わせて覚えたりするなどマークが意味するものを認識していきます。 そして、徐々に身の回りの表示などが一定の意味やメッセージを持つことに気付いていきます。子どものこうした発見は、様々な場所にある標識や文字への興味、関心となり、象徴機能として存在する標識や文字が何を意味するのかを保育士等に聞いたり、自分で考えたりすることで、更に認識を高めて いきます。 また、使われている言葉が特定の文字や標識に対応していることや、文字による様々な表現があることを、絵本などに親しむ中で気付くことができるよう配慮することも必要です。 ⑫近隣の生活に興味や関心を持ち、保育所内外の行事などに喜んで参加する。 子どもは、身近な大人の様子を観察し、模倣したり、イメージを取り込んでいきます。また、大人の仕事や生活に興味を持ち、それらをままごとやお店屋さんごっこなどの遊びに取り入れて遊んだり、役になりきって表現遊びを楽しみます。大人の生活や身近な社会の事象への関心は年齢と共に高まり、大人の手伝いをしたり、近隣の人々の生活や環境などへの興味や関心を広げていきます。そして、電車やバス、消防署や図書館などの公共機関にも関心を持ち、さらに地域には様々な場があり、様々な人がいることを知っていきます。 また、子どもは、友達や保育士等、保護者と共に保育所内外の行事に参加し、その雰囲気を味わったり、楽しんだりしながら、徐々にその中で自分なりの役割を果たすことができるようになります。 子どもが、こうした社会の事象に関心を持ち、人と人が支え合って生活していることに気付いたり、人の役に立とうとしたりする気持ちが芽生えていくように、保育士等が子どもの気付きに共感しながら、適切に働きかけていくことが求められます。
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「健康及び安全」に関する具体的な実践においては、全職員の連携・協力が不可欠です。また、それぞれの市町村の保健センターや保健所、医療機関、療育機関等との連絡調整や協力体制の確立も欠かせません。この場合、保健医療や栄養・食生活に関する専門的知識が求められることが多く、専門的な技能を有する職員(嘱託医、看護師等、栄養士及び調理員)の役割が重要です。これらの職員が配置されている場合には、職種の専門性を生かして「健康及び安全」に関わる企画立案、連絡調整を行い、保育士等と連携を図っていくことが望まれます。 コラム: ◎保育に関わる専門職 保育に関わる保育士以外の専門職の役割は以下のとおりです。 【嘱託医】 ◎保育所の子どもの発育・発達状態の評価,定期及び臨時の健康診断とその結果に関するカンファレンス ◎子どもの疾病及び傷害と事故の発生時の医学的処置及び医学的指導や指示 ◎感染症発生時における指導指示、学校伝染病発生時の指導指示、出席停止に関する指導 ◎予防接種に関する保護者及び保育士等に対する指導 ◎衛生器材・医薬品に関する指導及びその使用に関する指導等 【看護師等】 ◎子どもや職員の健康管理及び保健計画等の策定と保育における保健学的評価 ◎子どもの健康状態の観察の実践及び保護者からの子どもの健康状態に関する情報の処理 ◎子どもの健康状態の評価判定と異常発生時における保健学的・医学的対応及び子どもに対する健康教育 ◎疾病異常・傷害発生時の救急的処置と保育士等に対する指導 ◎子どもの発育・発達状態の把握とその評価及び家庭への連絡 ◎乳児保育の実践と保育士に対する保健学的助言等 【栄養士】 ◎食育の計画・実践・評価 ◎授乳、離乳食を含めた食事・間食の提供と栄養管理 ◎子どもの栄養状態、食生活の状況の観察及び保護者からの栄養・食生活に関する相談・助言 ◎地域の子育て家庭からの栄養・食生活に関する相談・助言 ◎病児・病後児保育、障害のある子ども、食物アレルギーの子どもの保育における食事の提供及び食生活に関する指導・相談 ◎食事の提供及び食育の実践における職員への栄養学的助言等 【調理員】 ◎食事の調理と提供 ◎食育の実践等
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他の人々と親しみ、支え合って生活するために、自立心を育て、人と関わる力を養う。 (ア)ねらい ①保育所生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わう。 ②身近な人と親しみ、関わりを深め、愛情や信頼感を持つ。 ③社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。 「人間関係」の領域では、第1章(総則)3.保育の原理(1)保育の目標の「(ウ)人との関わりの中で、人に対する愛情と信頼感、そして人権を大切にする心を育てるとともに、自主、自立及び協調の態度を養い、道徳性の芽生えを培うこと」をより具体化した「ねらい」として、①から③までが示されています。 人が人として人との関わりの中で生きていくこと、そしてその関わりの力を養い、子どもが周囲の人への信頼感を基盤に十分に自己を発揮し、充実感を持って生きていくことが重要であり、こうしたことがこの領域のねらいでもあります。 特に、人生の初期に人への基本的信頼感が養われることは重要であり、その信頼感に支えられて「保育所生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わう」心情を持つことにより、様々な意欲や態度が培われていきます。それは、「身近な人と親しみ、関わりを深め、愛情や信頼感を持つ」ことであり、さらに人との関わりを通して、「社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける」ことでもあります。 乳幼児期の子どもにとって身近な保育士等や友達と楽しく過ごし、意欲的に活動していくことにより、自分も相手も大切にしようとする気持ちや人への思いやりが育つことはたいへん重要です。子どもは保育所での生活の中で、考えながら行動したり、友達と協同して遊んだりすることを通して徐々に社会性を身に付けていくのです。 こうした「ねらい」を達成するために、保育士等が援助して子どもが環境に関わって経験する事項を次の「内容」で示しています。 (イ)内容 ①安心できる保育士等との関係の下で、身近な大人や友達に関心を持ち、模倣して遊んだり、親しみを持って自ら関わろうとする。 子どもは、特定の保育士等への安心感を基盤として、徐々に人間関係を広げていきます。 人生のかなり早い時期に、自分とよく似た子どもの存在を認め、同じものを見つめたり、同じ遊具を手にしたりしながら、徐々に保育士等が仲立ちとなり、同じ動作や身振りをしたり、友達に手を伸ばしたり、笑い合ったりするようになります。 友達との関わりが増えるにつれて、友達の様子を観察したり、一緒に遊ぼうとしたり、また、友達のすることに関心を持ったり刺激を受けながら遊びの幅を広げていきます。やがて、一緒に遊ぶことを喜び、友達と役割分担をしながら協力して遊ぶようになります。 こうした人間関係の広がりと深まりの基盤となるのは、常に子どもが保育士等や友達に受け入れられているという安心感と人への信頼感です。 子どもは、保育士等が様々な人とより良い関係を築こうとしているその姿をよく見ています。保育士等は子どもにとって最も身近な人的環境であるとともに、子どもにとってモデルとなっていることを常に心に留めましょう。 ②保育士等や友達との安定した関係の中で、共に過ごすことの喜びを味わう。 子どもは、成長とともに徐々に友達と一緒に過ごす時間を増やしていきます。そして、友達と一緒に遊んだり活動したりする中で、共に過ごす楽しさを味わうようになります。その様子を見守ったり、援助したり、仲立ちしたりする保育士等の役割は重要であり、一人一人の子どもの友達への興味や関心、仲間関係などを把握する必要があります。 子どもが友達の様子を観察し模倣したり、一緒に遊ぶ喜びを味わうことは、社会性の発達を促し、ひいてはより豊かな人間理解へとつながっていきます。 また、子ども同士で遊ぶ体験を重ねることにより、創造力を発揮しながら、長時間にわたって組織的な遊びを豊かに展開していくようになります。友達や保育士等と共に過ごすことの楽しさを十分に味わうことが、乳幼児期には特に重要です。 ③自分で考え、自分で行動する。 子どもが生活する中で、自分なりに考え自分でやってみようとすることは、主体的に生きていく力の基礎を培う上で重要です。きめ細やかな援助を受け、十分に依存したり、守られたりする経験を重ねた子どもが、安心して自己主張するようになり、自我を形成していきます。そして、人との関わりの中で自分の考えや気持ちをみいだし、自ら環境に働きかけ、活動を生み出していきます。 子どもは自ら行動することで、創造力を発揮したり、先の見通しを立てたり、期待や目的を持って、遊びや活動を発展させていきます。そうした姿を保育士等や友達に認めてもらうことで、自分とは異なる人の気持ちに気付き、その考えを聞き、更にもう一度自分で考えるようになります。子どもが、様々な遊びや活動の中で、試行錯誤を重ねながら、自分なりにじっくりと考えて行動することができるように、子どもの気持ちに寄り添って保育していくことが大切です。 ④自分でできることは自分でする。 子どもは、安心できる保育士等との関係の下で、食事や排泄など生活に必要なことを自分でしようとするようになります。子どもが自分でできることの喜びや自信を持つことができるよう援助するとともに、できたことを褒めるだけではなく、自分でしようとする意欲や姿勢を十分に見守り、認めていくことが必要です。 成長の途上で、子どもは自分でやりたい気持ちがかなえられず、思い通りにいかないことで泣いたり、かんしゃくを起こしたりする姿も見られます。 反抗しながらも大人に依存するなど、子どもの自立は一直線に進むのではなく、大人への依存と自律を繰り返し、行きつ戻りつしながら成長していくものです。 子どもが自ら選択して行動できるよう、保育士等にはじっくりと待つ姿勢と発達過程への深い理解が求められます。 ⑤友達と積極的に関わりながら喜びや悲しみを共感し合う。 子どもは自分と同じものに興味を示したり、同じような行動をしたり、同じ遊びをする身近な子どもの存在を、やがて「友達」と理解します。そして、友達と一緒に遊ぶことに喜びや楽しさをみいだし、関わりを深めていくことで仲間意識を持つようになりますが、その中で反発したり、競争心を持ったり、複雑な感情を経験します。けんかをしたり、自己主張し合うことも多くなりますが、共に過ごす中で徐々に互いの気持ちに気付いたり、相手の感情を理解していきます。 嬉しいときや悲しいときに、共に喜んだり、共に悲しんだりしてくれる友達の存在は子どもにとって心の支えとなります。子どもは友達とやり取りを重ねる中で、友達の喜びや悲しみに気付き、他者を思いやる気持ちを育んでいきます。 ⑥自分の思ったことを相手に伝え、相手の思っていることに気付く。 子どもは、保育士等や友達との安定した関係が築かれることにより、自分のしたいこと、して欲しいことを主張するようになります。相手に自分の思いをぶつけ、その気持ちが受け入れられたり、受け入れられなかったりする経験を経て、徐々に、相手にも分かるように話したり、相手の言うことを理解しようとするようになります。また、遊びを楽しくする上で互いに合意することが大切だと気付いたり、対話を通してどうすることがよいのかを考えたりしていきます。子どもは、自己主張し合うなかから、自己抑制することを少しずつ体得していくのです。 子どもは共に遊んだり、生活したりする中で、相手の気持ちを理解するだけでなく、相手に分かるように話すにはどうすればよいかを考えていきます。 保育士等の言動は子どもが他者と関わる際のモデルになったり、他者と関わるきっかけとなったりすることに留意することも大切です。 ⑦友達の良さに気付き、一緒に活動する楽しさを味わう。 子どもは様々な友達と遊ぶ中で、自分とは異なる思いや感情を持つ友達の存在に気付き、徐々にそれぞれの友達の良いところを知っていきます。友達の得意な遊びや性格、特徴など、自分と違う友達の個性を認めて様々な感情を抱くようになります。そして、人は皆違いがあり、違っていて良いことを実体験として感じ取っていくのです。また、遊びや活動に取り組むプロセスで、様々に自己主張したり、アイデアを出し合ったり、友達の考えや気持ちに耳を傾ける経験を通して、友達の良さに気付き、相互理解を図っていきます。 保育士等は、それぞれの良さを十分に認め、そのことを子どもたちに伝えながら、一緒に活動する楽しさを味わえるようにしていきます。 ⑧友達と一緒に活動する中で、共通の目的を見いだし、協力して物事をやり遂げようとする気持ちを持つ。 子どもは幼い頃から友達の存在を気にかけ、次第に同じ遊具で遊んだり、顔を見合わせて笑ったり、名前を呼び合ったりします。そして、ままごとなどのごっこ遊びを楽しんだり、言葉を交わしながら様々な活動に一緒に取り組んでいくようになります。 また、子どもは徐々に目標や期待を持って活動するようになりますが、失敗を恐れて活動することをためらったり、試行錯誤する中、やり続ける気持ちが途中で衰えてしまったりすることもあります。そうした気持ちを、保育士等が敏感に感じ取り、子どもの気持ちを認め、励ますとともに、子ども自身が友達との関わりの中で意欲を高めていくことが大切です。途中であきらめず、友達と一緒に達成感や充実感を味わうことを通して、子どもは物事を最後までやり遂げようとする集中力や持続力を培っていきます。友達と活動する中で、共通の目的をみいだしたり、一緒に遊ぶ中で協力して遊びを発展させたり、子ども同士が力を合わせ取り組んでいく姿を保育士等は十分に認め、集団での活動が意義あるものとなるようにしていきます。 ⑨良いことや悪いことがあることに気付き、考えながら行動する。 子どもは、自分や友達のしたことに対して、周りの大人や友達が様々に対応する姿やその言動により、物事には良いことや悪いことがあることに気付いていきます。特に、保育士等が自分の行動を受け入れたかどうかに基づいて、自分のしたことが良いことだったのか、悪いことだったのかを判断しようとすることがあります。保育士等は子ども自身が気付き、考えていく過程を見守るとともに、適宜、良いこと、悪いことを明確に示すことが必要です。 子どもは、保育士等の適切な援助を受けることで、相手の内面にも徐々に注意を向けることができるようになります。自分の行動が相手にどのように受け止められたかについて子ども自身が考えられるような働きかけが必要です。また、子どもが様々な感情を味わいながら、自分で考え判断していく経験を積み重ねていくことができるよう援助していくことが重要です。 ⑩身近な友達との関わりを深めるとともに、異年齢の友達など、様々な友達と関わり、思いやりや親しみを持つ。 保育所は、0歳から6歳までの子どもが、共に生活しているところです。興味や関心の似通っている同年齢の子ども同士の関わりでは、自分の気持ちや欲求を出し合い、様々な遊びをつくり上げていきます。また、そうした活動を通して、友達との関わりを深めていきます。自分より年下の子どもに対しては、生活や遊びの様々な場面で手助けをしたり気持ちを汲んで慰めたり優しい言葉をかけたりするなど、思いやりの気持ちを持ったり、態度で示したりします。また、年上の子どもに対しては、大きくなることの喜びやあこがれを持ち、自分が困っている時などに優しくされた経験があると、年下の子どもに同じように優しくしてあげようという気持ちを持つことでしょう。 このように、保育所の生活において、子どもは異年齢の子どもとの関わりを通して様々な感情を経験し、自分とは異なる存在を受け止めていきます。 保育士等は、このような経験が相互によいものとなるように、環境を設定したり、異年齢での活動を積極的に取り入れていくことが大切です。 ⑪友達と楽しく生活する中で決まりの大切さに気付き、守ろうとする。 保育所の生活の様々な場面には、順番を待つなど、生活や遊びをスムーズにするための決まりやルールがあります。 子どもはまず、保育士等の関わりや言葉がけにより、このような決まりの存在に気付きます。また、保育士等に助けられて決まりの意味を理解したりしていきます。年齢が高くなるにしたがい、友達と一緒に簡単なルールのある遊びを楽しむ中で、次第に決まりを守ることができるようになります。また自分と友達の欲求や思いがぶつかりあった時には、決まりに従うことで解決に結びつきやすいことにも気付いていきます。保育士等は、状況をよく把握しながら、子どもたち自身が様々な感情を表しながら、ルールを作ったり、ルールを変えたりなど仲間の中で調整したり、工夫したりする姿を見守り、必要に応じて援助します。 子どもはこうした子ども同士のやり取りや集団での活動の中で、徐々に規範意識を身に付けていくのです。 ⑫共同の遊具や用具を大切にし、みんなで使う。 保育所の中には、友達や仲間と共に使うものがたくさんあります。保育士等と共に遊具を使って楽しく遊ぶ経験をしたり、物の名前や役割を知ったりする中で、遊具などに親しみ、それらが自分にとって大事なものになっていきます。遊具などに愛着を持ち、大切に取り扱う保育士等の姿は子どもにも伝わることでしょう。 また、子どもは友達と共に一つの遊具で遊んだり、みんなで使って遊ぶ楽しさを味わったりすることを通して、遊具が遊びをおもしろくすることやその活用の仕方を理解していきます。保育士等は遊具や用具を介して子どもの遊びや生活が広がり、友達との関わりが深まっていくことにも留意し、そうした中で共同のものを大切にしようとする気持ちや態度が育まれていくよう環境を整えていきます。 ⑬高齢者を始め地域の人々など自分の生活に関係の深いいろいろな人に親しみを持つ。 都市化や核家族化が進行する中、世代間の交流が乏しくなった現代では、子どもが高齢者などと触れ合う機会が少なくなっています。こうした状況の中で、保育所に高齢者や地域の方を招き、伝承遊びを教えてもらったり、昔話を語ってもらったり、伝統芸能などを披露してもらったりすることは、人に対する親しみや感謝の気持ちを育む上で、重要な機会です。こうした人々との触れ合いを通し、子どもが様々な文化に出会い、興味や関心を持ったり、自分の家族や身近な人のことを考えたりするきっかけとなることも大切でしょう。 また、子どもは、散歩などの機会に地域の人と挨拶を交わしたり、地域の高齢者施設などを訪れたりする中で、人への関心を深め、人は周囲の人と関わり、支え合いながら生きていることに気付いていきます。 ⑭外国人など、自分とは異なる文化を持った人に親しみを持つ。 異なる文化を持つ人々の存在は、近年、ますます身近になってきています。 保育所においても、多くの外国籍の子どもや様々な文化を持つ子どもたちが、一緒に生活しています。保育士等は、一人一人の子どもの状態や家庭の状況などに十分配慮するとともに、それぞれの文化を尊重しながら適切に援助することが求められます。また、子どもが一人一人の違いを認めながら、共に 過ごすことを楽しめるようにしていきます。 保育所の生活の中で、様々な国の遊びや歌などを取り入れたり、地球儀や世界地図を置いたり、簡単な外国語の言葉を紹介していくことも、子どもが様々な文化に親しむ上で大切なことです。 異なる文化を持つ人との関わりを深めていくことは子どもだけでなく保育士等にとっても重要であり、多文化共生の保育を子どもや保護者と共に実践していきたいものです。
https://w.atwiki.jp/jobmemo/pages/44.html
(1)保育所は、子どもの人権に十分配慮するとともに、子ども一人一人の人格を尊重して保育を行わなければならない。保育士等は、保育という営みが、子どもの人権を守るために、法的・制度的に裏付けられていることを認識し、「憲法」、「児童福祉法」、「児童憲章」、「児童の権利に関する条約」などにおける子どもの人権等について理解することが必要です。 また、子どもの発達や経験の個人差等にも留意し、国籍や文化の違いを認め合い、互いに尊重する心を育て、子どもの人権に配慮した保育となっているか、常に職員全体で確認することが必要です。体罰や言葉の暴力はもちろん、日常の保育の中で、子どもに身体的、精神的苦痛を与え、その人格を辱めることが決してないよう、子どもの人格を尊重して保育に当たらなければなりません。保育士等の言動は子どもに大きな影響を与えます。幼い子どもは、身近な保育士等の姿や言動を敏感に受け止めています。そのため、保育士等は常に、自らの人間性や専門性の向上に努めるとともに、豊かな感性と愛情を持って子どもと関わり、信頼関係を築いていかなければなりません。 さらに、子どもが健やかに育つ環境を醸成し、子どもや子育てを大切にする文化を紡ぎ出していくことも、保育所の社会的責任といえるのではないでしょうか。
https://w.atwiki.jp/jobmemo/pages/130.html
(1)専門性を高める研修 (2)学びあいの環境づくりと保育所の活性化
https://w.atwiki.jp/jobmemo/pages/129.html
①研修体制の確立と着実な実施 保育所が保育の質の向上を図っていくためには、組織の中で保育の質について定期的、継続的に検討を行い、課題を把握し、改善のために具体的に取り組めるような体制を構築することが必要です。施設長のリーダーシップのもと、研修に関する保育所としての基本的姿勢を明確にして、職務分担などに研修担当を位置付け、体系的・計画的に取り組むようにします。 また研修の基本的姿勢や在り方は、具体的な保育実践を積み重ねていく中で、深まり成熟していくものです。 そうした基本的姿勢を確立させながら、個人別の研修計画や施設全体の計画を作ることを目指し、研修の成果と課題に基づき、次の研修計画に反映させるようにすることが大切です。 また、組織の規模によっては、専門性の高い職員から経験の浅い職員まで、多くの職員がいることを生かし、職員間で学び合いを深めていくことができるような体制をつくることも一つの方法です。 ②職員の意欲を高めるために 職員の自己研鑽については、職員一人一人の質の向上を図ることが保育所としての質の向上にもつながるため、施設長は、職員の意向も考慮しながら、職員の自己啓発の動機付けや助言(情報提供等)及び援助(時間等)に努めることが求められます。 職員が自らを高めようとする意欲は、子どもの成長の実感、保育の充実感や満足感、職員間の信頼関係の深まり、保育を学ぶ楽しさの体験、保護者からの感謝など、様々な経験を重ねる中で培われていきます。研修の機会はもちろん、毎日の業務の中で、適切な助言が得られ、課題解決の方法を学ぶことができるような仕組みは、職員の自己啓発の意欲向上につながります。職員個人の課題であっても、組織としての課題と重なるものも多いため、同僚と一緒に研究や検討を行うことも必要です。さらに、施設としての研修内容にふさわしいものを取り上げて、研修体系に取り込んで位置付けていきます。 ③施設長や主任保育士など指導的立場の職員の姿勢 職員が自ら学びたいと思う気持ちは極めて貴重なものです。施設長や主任保育士をはじめリーダー的な立場の職員は、その意欲を大切にしながら、指導や助言をします。 また一人一人の職員が直面している問題、あるいは挑戦しようと臨んでいる課題などを把握し、その上で、問題や課題の内容と職員の力量の両方を踏まえ、適切な研修内容や手段を提供し、助言を行います。 日常業務の中で、経験の浅い職員は、中堅職員やベテラン職員の仕事を通じて学んでいることが多いものです。そのため、リーダー的立場の職員は何が望ましいモデルかについて自覚しておくことが大切です。経験年数の長短や、未熟さを指摘するような形ではなく、その立場と長所を尊重し理解しながら、どうすれば問題を解決できるか、どのような方法があるか、同僚として助言することが望ましいでしょう。また研修や会議といった公的な場以外でも、職員の悩みに耳を傾けたり、雑談や普段の付き合いの中で助言したりする機会を大切にしたいものです。
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(4)乳幼児期は、生理的、身体的な諸条件や生育環境の違いにより、一人一人の心身の発達の個人差が大きい。 子どもは一人一人異なる資質や特性を持っています。子どもの生育環境がその成長に大きく影響するのはいうまでもありません。 保育所に入所するまでにどのように過ごしてきたか、家庭ではどのような生活を送っているか、これまでにどのような経験をしてきたかなどによって、一人一人の子どもの環境の受け止め方や環境への関わり方は異なります。乳幼児期は、同じ年齢や月齢であってもその興味や関心は様々であり、身体の特性や発達の足取りなど、個人差がたいへん大きいのです。
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(ア)ねらい ①一人一人の子どもが、快適に生活できるようにする。 ②一人一人の子どもが、健康で安全に過ごせるようにする。 ③一人一人の子どもの生理的欲求が、十分に満たされるようにする。 ④一人一人の子どもの健康増進が、積極的に図られるようにする。 養護に関わる保育の目標をより具体化した「ねらい」の中で、まず、子どもの「生命の保持」に関わるねらいとして、①から④までが示されています。 ここにあるように、子どもの命を守り、一人一人の子どもが快適に、そして健康で安全に過ごせるようにするとともに、その生理的欲求が十分に満たされ、健康増進が積極的に図られるようにすることは一人一人の子どもの生存権を保障することでもあります。それは、日常の生活の中での保育士等の具体的な関わりにより実現されていきます。特に、「ねらい」に対応して保育士等が行う事項を次の「内容」で示しています。 「生命の保持」に関わる保育の内容は、特に「教育に関わるねらい及び内容」のア「健康」の領域と深く関連し、また、第5章の(健康及び安全)に示されている事項と重なる事柄もあります。それぞれの内容を踏まえ、一人一人の子どもの健康と安全がしっかりと守られるとともに、保育所全体で子どもの健康増進を図っていくことが求められます。 (イ)内容 ①一人一人の子どもの平常の健康状態や発育及び発達状態を的確に把握し、異常を感じる場合は、速やかに適切に対応する。一人一人の子どもの健康状態を把握するためには、子どもの発育や発達の状態、家庭での食事、睡眠などの状態について保護者から情報を得ることが必要です。また、登所時の健康観察、保育中の子どもの様子の把握も日々の保育の中で必ず行わなければなりません。 特に、乳児に対しては、常に体の状態を細かく観察し、疾病や異常を早く発見することが求められます。また、生後6か月を過ぎると母親から受け継いだ免疫がなくなり始め、感染症にかかりやすくなるため、朝の受け入れ時はもちろんのこと、保育中も、機嫌、食欲などの観察を十分に行い、発熱などの体の状態に変化が見られたときは適切に対応することが求められます。 乳幼児は疾病に対する抵抗力が弱く、容態が急変しやすいことを十分認識し、第5章で示されていることを踏まえ、職員間で連携を図りながら、適切かつ迅速に対応していきます。 ②家庭との連携を密にし、嘱託医等との連携を図りながら、子どもの疾病や事故防止に関する認識を深め、保健的で安全な保育環境の維持及び向上に努める。 疾病予防については、保護者との連絡を密にしながら一人一人の子どもの状態に応じて、嘱託医やかかりつけ医などと相談して進めていくことが必要です。保育士等が子どもの疾病について理解を深めるとともに、感染予防に心がけ保護者に適切な情報を伝え、啓発していくことも大切です。衛生的な環境への細心の注意を払い、保育室や子どもの身の回りの環境、衣類や寝具、遊具などを点検します。 事故防止については、子どもの発達の特性や発達過程を踏まえ、子どもの行動を予測し、起こりやすい事故を想定し、環境に留意して事故防止に努めることが求められます。子どもの成長に伴い行動範囲が広がるので、その活動を保障しながら、保育所全体で安全点検表などを活用しながら対策を講じ、安心、安全な保育環境を作っていかなければなりません。 ③清潔で安全な環境を整え、適切な援助や応答的な関わりを通して子どもの生理的欲求を満たしていく。また、家庭と協力しながら、子どもの発達過程等に応じた適切な生活リズムが作られていくようにする。 保育所は保健面や安全面に関して十分に配慮された環境でなければなりません。細やかに清掃され衛生的な場であることはもちろんのこと、明るさ、温度、湿度、音などについても常に配慮することが求められます。また、子どもが安心して探索活動をしたり、のびのびと体を動かして遊ぶことのできる環境であることが必要です。こうした環境の下で、保育士等が応答的に関わりながら食欲や睡眠などの生理的欲求を満たしていくことが、子どもの健やかな成長を支えます。子どもの欲求に応えて、語りかけながら優しく対応をすることにより、子どもは心地よくなる喜びとともに、自分の働きかけによって応じられた行為の意味を感じ取るのです。 送迎時の保護者との会話や連絡帳、懇談会などを通し、積極的に家庭との情報交換を行いながら、24 時間を見据えた子どもの生活時間を考慮し、子どもの食事、睡眠、休息、遊びなどが無理なく営まれるようにしていきます。 そして、一人一人の生活に合わせ、時には柔軟な対応をとりながら、家庭と協力して子どもの生活や発達過程にふさわしい生活リズムが作られるようにしていきます。 ④子どもの発達過程等に応じて、適度な運動と休息を取ることができるようにする。また、食事、排泄、衣類の着脱、身の回りを清潔にすることなどについて、子どもが意欲的に生活できるよう適切に援助する。 子どもの発達を見通し、這う、歩く、走る、登る、跳ぶ、くぐる、押す、引っ張るなど全身を使う運動を適度に取り入れ、それぞれの状態にあった活動を十分に行うことが重要です。休息は、心身の疲労を癒したり緊張を緩和したり、子どもが生き生きと過ごすためには大切なことです。一人一人の生活リズムに合わせて安心して適度な休息や午睡がとれるようにするとともに、静と動のバランスに配慮した保育の内容が求められます。 食事は、楽しい雰囲気の中で喜んでできるようにします。友達と一緒に食事をしたり、様々な食べ物を食べる楽しさを味わったりすることで、第5章の3で示されている「食育の推進」が図られるようにしていきます。授乳する時は抱いて微笑みかけながら、ゆったりとした気持ちで行います。離乳の 時期や方法については、保護者と情報を交換し、嘱託医や栄養士、調理員と相談しながら一人一人の子どもに合わせて慎重に進めます。 健康や安全等、生活に必要な基本的生活習慣や態度を身に付けることは、子どもが自分の生活を律し、主体的に生きる基礎となるものです。食事、排泄、睡眠、衣類の着脱、身の回りを清潔にすることなどの生活習慣の習得は、急がせることなく、子どもの様子をよく見て、一人一人の子どもにとって適切な時期に適切な援助をしていくことが大切です。保育士等は見通しを持って、さりげない援助をしながら、子どもに分かりやすい方法でやり方を示すなどして、自分でできた達成感を味わえるようにします。子どもが、自信や満足感を持ち、更にやってみようとする意欲が高められるようにしていきます。
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(4)体調不良、食物アレルギー、障害のある子どもなど、一人一人の子どもの心身の状態等に応じ、嘱託医、かかりつけ医等の指示や協力の下に適切に対応すること。栄養士が配置されている場合は、専門性を生かした対応を図ること。 全職員が連携・協力して食育の推進に当たりますが、特に栄養士が配置されている場合には、子どもの健康状態、発育・発達状態、栄養状態、食生活の状況を見ながら、その専門性を生かして、献立の作成、食材料の選定、調理方法、摂取の方法、摂取量の指導に当たることが望まれます。また、必要に応じて療育機関、医療機関等の専門職の指導・指示を受けることが必要です。 ①体調不良の子どもへの対応 病気の始まりの状態、さらに病気の回復期等、病気や一人一人の心身の所見に応じた食事の提供は、病気の悪化を防ぐこと、病気の回復を早めること等の目的もあります。必要に応じて嘱託医やかかりつけ医の指導・指示により、食事を提供することが必要です。 ②食物アレルギーのある子どもへの対応 食べ物によって種々のアレルギー症状を呈する子どもの食事、特に除去食については、専門医や、かかりつけ医などの指導・指示が必要です。保護者の申し入れが、子どもの健康や発育・発達に支障をもたらすことも考えられます。除去食等が提供される場合には、除去食品の誤食などの事故防止に努め、当該の子どもだけでなく他の子どもや保護者にもその旨を理解してもらうことが必要です。 ③障害のある子ども 障害のある子どもに対し、他の子どもと異なる食事を提供する場合があり、食事の摂取に際しても介助の必要な場合があります。療育機関、医療機関等の専門職の指導・指示を受けて、一人一人の子どもの心身の状態、特に、咀嚼や嚥下の摂食機能や手指等の運動機能等の状態に応じた配慮が必要です。また、誤飲をはじめとする事故の防止にも留意しなければなりません。さらに、他の子どもや保護者が、障害のある子どもの食生活について理解できるように配慮します。 ④食を通した保護者への支援 家庭と連携・協力して食育を進めていくことが大切です。保育所での子どもの食事の様子や、保育所が食育に関してどのように取り組んでいるのかを伝えることは、家庭での食育の関心を高めていくことにつながります。家庭からの食生活に関する相談に応じたり、助言・支援を行います。 具体的取組としては、毎日の送迎時での助言、家庭への通信、日々の連絡帳、給食やおやつの場を含めた保育参観や試食会、保護者の参加による調理実践、行事などが考えられます。懇談会などを通して、保護者同士の交流を図ることにより、家庭での食育の実践がより広がることも期待できます。 地域の子育て家庭において、子どもの食生活に関する悩み等が子育て不安の一因となることもあります。食を通して子どもへの理解を深め、子育ての不安を軽減し、家庭や地域の養育力の向上につなげることができるよう保育所の調理室等を活用し、食生活に関する相談・支援を行うことも大切です。
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保護者の就労等のニーズに応じた多様な保育サービスも、保育所の重要な役割です。保護者の仕事と子育ての両立等を支援するために、保護者の状況を配慮して行うとともに、常に子どもの福祉の尊重を念頭におき、子どもの生活への配慮がなされるよう、家庭と連携・協力していく必要があります。その主な内容、方法を述べると、以下のとおりです。 ①延長保育・夜間保育 子どもの発達の状況、健康状態、生活習慣、生活リズム及び情緒の安定を配慮して保育を行うよう留意する必要があります。夕方の食事あるいは補食についても、子どもの状況・家庭の生活時間によって適切な提供方法を配慮し、保育士間の様々な必要事項の申し送りや保護者への連絡事項についても、適切に意思疎通が図られるよう配慮することが必要です。 ②休日保育 子どもにとって通常保育とは異なる環境や集団構成になることにも配慮して、子どもが安定して豊かな時間を過ごせるように工夫することが必要です。 ③病児・病後児保育 保育中に体調不良が発生した場合の必要な体制・環境については、第5章で示されている内容に基づいて適切に対応します。また、病児・病後児保育を行う場合は、特に受け入れ体制やルールについて、保護者に十分に説明し、子どもの負担が少なく、リスクが生じないように配慮し、保護者と連携して進めることが大切です。